持株会のメリット・デメリット

企業持ち株会という形で、勤務先の株式を購入できる制度があります。

会社によっては何%か補助をしてくれるところがあり、時価のディスカウント価格で自分の会社の株を買えるという制度です。

 

かつて、日本が高度成長期だった時には、この制度を使って老後資産を形成するということが可能でした。

しかし、みなさんご存知の通りバブル崩壊後の日本は経済的に停滞しています。

 

そのため、かつての世代のように資産形成を持ち株会で行うのは多くの企業でほとんど無理と言ってよいでしょう。それでも、お付き合いだったり、愛社精神のあまりに積み立てる人が少なくありません。

この投資法は自分の人生の殆ど全てを勤務先に捧げることになります。

給与を自社に依存し、資産運用も自社に依存するからです。

分散投資の真逆を行く発想であり、勤務先が傾けば自分の人生も傾きます。

 

反面、勤務先の業績が向上すれば、給与は上昇し、株式も上昇します。ただ、業績が長期にわたって右肩上がりの会社は、今の日本には数えるほどしかないことを知っておいてよいでしょう。

 

そして、注意しなくてはいけないのは、まぎれもない投資でありながら、金融知識が浅いと投資だと認識しにくいところにあります。

日本の得意な製造業は難しい業界。持株会に加入は賭けになる!?

しかし、今の日本においては業績が向上し続けている会社よりも現状維持か、漸減企業のほうが多いです。特に日本が「ものづくり」と尊重してきた製造業においてその傾向は顕著であると言ってよいでしょう。

 

同じ人間である以上、図抜けた手先の器用さを日本人だけが持つということはありません。そういう意味では組立中心の製造業の殆どはワイドモートではありません。

 

どのように独創性付加価値を製品に反映させるかが勝負になっています。

 

ただ、そのような付加価値をつけられる企業はわずかです。

従前通りの組立、特に模倣型の企業は世界も含めて過当競争になっており、10年前の業界の雄現在倒産寸前ということが珍しくありません。持株会に入るならば、勤務先企業がワイドモートかどうかを見極めたほうがよいでしょう。

 

それは全く株式投資と一緒だということです。

勤務先は基本的にはその人の人生まで面倒をみてくれません。あくまで契約関係でしかありません。冷静に自己資金を運用していくことが、困難な時代を生き抜く投資術ということになるでしょう。それが自立した大人の勤務先との関わり方ということになります。

すべての人にお金の教養を!

ファイナンシャルプランナー ロペオ

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