金利と保険の返戻率は別物・・・

「保険の予定利率、返戻率」、「利回りと預貯金の金利」は別物

例えば、銀行の窓口で一時払いの終身保険を勧められたとしましょう。

その時行員がこのようなトークを繰り広げました。

「定期預金の金利は、マイナスですが、一時払い終身保険は、1,4%もあってお得ですよ」

(おぉ、そんなお得な金利なら、定期を解約して乗り換えちゃおうかな・・・)

なんて、反射的に思ったら、、、危険です。

なぜなら、同じ銀行内で扱う商品なのに、預貯金の金利と保険の予定利率は全く意味が違っていて、 その違いが分からない人をターゲットにさほど魅力的ではないものをすすめられ、契約してしまう可能性があるからです。

「予定利率」「返戻金」「利回り」などの意味をキチンと整理して後悔しないようにしましょう。 


保険の予定利率、返戻率、年利、預貯金の金利の違いとは?

「保険」は、100万円から経費を差し引かれ、その残額に予定利率をかけて運用されます。

「預貯金」は、100万円はそのまま金利がつきます。

予定利率は、保険会社が独自に決めているのですが、勝手に決めているわけではありません。

 

国が定める「標準利率」というものを元にしています。「標準利率」は、「責任準備金」として保険会社が将来保険金の支払いなどに充てるために適用されている利率です。「標準利率」は、

国債の金利などを元に算出されているので、年々減少傾向にあります

 

知っておくと重宝する「返戻率」、「利回り」の出し方

この「返戻率」や「利回り」、「年利」は、一般的な利率とは少し違います。

*個人年金を例に

返戻率の計算の仕方


返戻率は、次のように計算します。

もらえる年金の総額÷支払った保険料の総額=返戻率


条件:
30歳が男性が、個人年金を月1万円の掛け金を60歳まで支払う
その結果、

毎年40万円の年金を10年間受けるとれる個人年金を加入


月額1万円×12か月×30年間なので、支払った保険料の総額は360万円です。

年額40万円×10年間なので、もらえる年金の総額は400万円です。

360万円(支払総額)-400万円(受取り総額)=

40万円の利息となります。

400万円÷360万円ですので、この場合、

返戻率は約1,11=111%

となります。


「利回り」は、次のように計算します

預金につく利息や、株で儲かった場合など、「資産の利益」をはかる場合、「利回り」という言い方をしますね。

 

保険ではあまり使わないかもしれませんが、

知っておいて損はないので、理解しておきましょう。

 

「利回り」は、「投資元本に対する、利子も含めた収益の割合」と定義されます。

保険料総額の360万円です。
360万円の保険料総額に対して400万円の年金ですから、

40万円が収益です。

 

40万円÷30年÷360万円×100=約0.28%

となりますので、

この個人年金保険の利回りは0.28%となります。

要は!

返戻率111%=年利0.53%

返戻率111%=単純利回り0.28%

 

どういうこと???

返戻率のロジックでは時間、

つまり、受取りタイミングが無視されているからです。

 

例えば、

今日誰かに100円を預けて、明日110円してもらうのと、

10年後に110円もうらうのでは、どちらがいいですか?


どちらも「返戻率110%」ですが、

もちろん「明日の110円」を誰もが選ぶはずです。

この例だけをみても、返戻率を見比べて

保険の返戻率と利回りが違うことが、ご理解いただけるはずです。

しかし、そこを素直に「利回り0.28%」や「年利0.58%」

パンフレットに書いても魅力的には映りません。

「返戻率111%」と書けば、あたかも利回りが11%もある

と思っていませんか?

実は全く違います!そう見えますからついついその保険を契約をしたくなってしま訳です。

すべての人にお金の教養を

ファイナンシャルプランナー ロペオ

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